7.コミュニケーション・接遇マナー③

この研修は、ケーライブの入社時研修の7科目目で実際に使用している資料です。

基本的には資料をそのまま掲載している為、講師の口頭での注釈などは入っていません。

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研修目的(なぜこのテーマで研修を行うのか)

訪問介護(ホームヘルパー)の業務は対人サービスです。

そこでは介護の技術はもちろんですが、高いコミュニケーション能力が求められます。

皆さんは入社時研修で「他人に自分の想いを伝えることがいかに難しいか、他人の想いを受け止めるのがいかに難しいか」という事を学んで頂いていました。

しかし、実際の現場それを生かす事は、なかなか難しい場面も多かったと思います。

そこで今回は、ロールプレイを行いながら、「ヒトがヒトに対して好感を持つ、または不快感を感じる言動、所作とはどういうものがあるか」を学んで頂きたいと思います。

※訪問介護の現場で多いクレーム、苦情は「生活援助」の場面がほとんどです。

介護が全く未経験で訪問介護の世界に飛び込んだ方の多くは、オムツ交換などの身体介護に不安を感じる傾向にあります。

しかし、身体介護よりもクレームが多いのは間違い無く生活援助です。なぜか?

一般的に、専門性の高いものになればなるほど、クレームは発生し難くなるからです。

例えばあなたが病院にかかった際に、レントゲン撮影をする事になったとします。

あなたは、そのレントゲン技師の撮影の仕方が悪いだとか、下手だという感想は持ちませんよね?何が上手で、何が下手かわからないからです。

そもそも、医師からレントゲン撮影をすると言われた事ですら、特に疑問は持ちませんよね。

つまり、オムツ交換などの身体介護(専門性を求められる介護)の場合には、生活援助に比べればクレームが発生しにくいのです。

生活援助とは、要するに家事の支援です。これはほとんどのお客様が、これまで(要介護となる前まで)は自分でやってきた事です。

そこには自分なりの食器の洗い方であったり、洗濯物の干し方であったりの「こだわり」があります。

そして見過ごされがちですが、その人の家庭の中だけの常識(こだわり)が「その人にとっての普通」なのです。

普通のことが普通に出来ない=なんだ、このヘルパーは!というクレームに繋がりがちです。

 

ところで、現実として世の中には、あまりクレームを受けないという人もいます。

雰囲気や語調など、様々な要素が絡み合っているので、全ての人がそうなるのは難しいのですが、逆に、明らかに誰もが嫌な気分になる(=クレームに繋がりやすい)所作や言動というのもあります。

それを実際に体験してみましょう。

そして、それを「嫌だな」、「不快だな」と感じたならば、お客様に対して行わないよう、心がけましょう。

 

目標(本日の研修で達成する事)

  • お客様に不快感を与えない為にはどういう言動、所作が良いのかを理解する。
  • 理解した事を普段の業務に取り入れる、行う。

 

電話応対

あなたは事業所にいます。事業所の電話が鳴りました。

A・ケーライブのスタッフ B・応募者

A「お電話ありがとうございます。ケーライブ八戸ケアセンター〇〇です」

B「ヘルパーの事で聞きたくて電話したんだけど」

A「どういった事でしょうか?」

B「そこで働きたいんだけど」

A「有難うございます。パートでしょうか、正社員のご希望でしょうか」

B「正社員です」

A「弊社の事は何でお知りになりましたか」

B「職安です」

A「そうですか。では求人票にも記載があったのでご覧いただいていると思いますが、訪問介護の仕事はホームヘルパーなどの資格が必須ですが、資格は何かお持ちですか」

B「ヘルパー二級持ってます」

A「そうなんですね。では一度、事業所にお越しいただいて面接をさせて頂きたいんですが、平日の10時~16時の間でご都合のいい曜日と時間を教えていただけますか。あとお名前を教えていただけますか」

B「来週の月曜の10時だと行けるかな・・・」

A「お名前をお伺いできますか」

B「Bです」

A「わかりました、Bさんですね。では来週12/1月曜の10時に事務所でお待ちしています。その際には写真付きの履歴書と資格証の原本をお持ちください。駐車場はご存知ですか?」

B「わかりました。知ってます」

A「その他に何かご不明な点はありませんでしたか?」

B「はい、宜しくお願いいたします」

 

・・・このやりとりで感じたことを話し合ってみましょう。

 

例)・挨拶がない ・名乗っていない・自分から電話をかけてきている(コミュニケーションのきっかけを作っている)のに、聞かれたことにしか答えていない為、会話がスムーズにいかない ・敬語が出来ていない、等

 

トラブル防止の為のテクニック

1復唱する

2不明点がなかったか確認する

 

面接

10時15分頃に事務所に現れたBさん。

B「あのー・・・」

A「面接の方ですか?」

B「あ、はいBです」

A「お待ちしていました、どうぞおかけください」

B「すみません、ちょっと忙しくてバタバタしてしまって」

A「大丈夫ですよ、では早速面接に入らせていただきます。本日面接を担当しますAと申します。宜しくお願いいたします」

B「はい、お願いします」

・・・・・・・

A「これまでは老健でお勤めだったという事で、訪問介護のご経験はないという事ですね。この辺には他にも何軒かヘルパーの事業所はありますが、よろしければなぜ弊社に応募したのかお聞かせ願えますか」

 B「はい、今まで老健で働いていたんですけど、夜勤が人数も少なくて体力的にもきつくて。それに老健は流れ作業というか、しっかりと利用者の方と向き合う事が出来なくて、訪問の仕事だとそういう事がないかなと思って」

A「そうなんですね。ではその訪問介護の中で、弊社に応募いただいたのは何故でしょう?」

B「あ、ネットで見ました」

 

・・・このやりとりで感じたことを話し合ってみましょう。

 

 

日常会話で

 

あなたの好きな〇〇〇について、その魅力を語ってください。

ここでは研修に参加しているスタッフに、好きな○○(例えば芸能人など)について話してもらいます。講師はその会話に意識的に「でも」や「だって」を多用してコミュニケーションをとります。

そこでどういう気持ちになったか、不快に感じたところがあれば、どういう点だったのか、を話してもらいます。

なぜ不快になったのかは、事項の「3 でも、だって・・・」を基に解説します。

 

トラブル防止の為のテクニック2 避けた方が良い言葉とビジネスマナー

すみません・・・

お詫びやお願いをするとき、人を呼ぶときなどいろいろな場面で用いられることが多いのですが、特に謝罪の時に用いるのは失礼に当たります。

謝罪する際は「申し訳有りません」。

お願いをするときには「恐れ入ります」を使用します。

謝罪は「sorry」、それ以外のすみませんは「excuse me」であると考えればわかりやすいのではないでしょうか。

ちなみに「すいません」はすみませんが変化した話し言葉であり、より砕けた感じを与えます。

 

忙しくて・・・

遅刻した時、頼まれた仕事ができていなかったり、忘れていた時等にこのような言い訳をする方がいますが、これは完全に自分の都合であり、なんの理由にもなっていません。

自分が忙しかったから相手に迷惑をかけても良いと言っているのと同じで、大変失礼です。

相手の方も暇を持て余している訳ではないのです。絶対にやめましょう。

 

でも、だって・・・

「でも、だって」は他の人が話した言葉を否定する言葉です。特に何かを検討している時に「でも、だって」が多くなると、言われている方は「何を言っても無駄だな」と感じてしまいます。

また否定が多くなると、建設的な話ができなくなりますし、出来ない言い訳ばかりを探す様になってしまいます。

 

ご苦労様です・・・

現在の日本では、ご苦労様という言葉は目下の相手に使う言葉として定着しています。

言葉の意味は、時代とともに変わるものですので、目上の方には「お疲れ様です」を使用しましょう。

 

その他

 

あなたが話していて不快だと思う人、不快にさせられた言動などについて話してみましょう。

例)訪ねているのにこちらを向かない窓口の人など。